旅に出たいが口癖

路地裏とご飯に食いつきがちな旅好き人間が旅行後の備忘録に書くブログ。不定期更新です。

一人旅は「怖い」のか

 「一人旅って怖くないの?」と聞かれたことがある一人旅経験者はとても多いと思う。
 同じくらい「寂しくない?」とか「楽しいの?」って聞かれる事もあるけど、それよりも「怖くないの?」という質問をされると大声で「NO」とは言えない自分がいます。

 

 どちらかというと私だって怖いです。
 英語がペラペラで、ペラペラじゃないけどちょっとは理解できるレベルのサブ言語も1語ぐらいあって、何かあった時の危機管理とか判断力とかあって、地図がちゃんと読めて、コミュニケーション能力がカンストしてる人だったら「怖い」って全く思わないかもしれない。
 でも、私はヒアリング能力が壊滅的に無くてこちらの要望は言えても相手の意向は聞き取れないぐらい英語が苦手だし、学生時代に履修した中国語と韓国語は「勉強してた」止まりだし、ちょっとしたアクシデントですぐテンパる自称コミュ障だ。地図は何とか読めるけど、平面(2次元)と立体(3次元)のギャップに簡単に困惑する。

 

 そんな私が「怖くないの?」に対して言えるのは「怖いよ」ってことだけです。

 

 だけど、そこが旅の魅力なんじゃないかなって思うところもある。
 普通に電車やバスに乗って、気になった所に行って、美味しい物を食べて、ホテルに帰る。
 国内旅行だったら言葉の壁がないからスムーズに事が進むし、ガイドブックやネットで見つからなかった隠れ家的なお店やスポットを見つけることもできる。
 海外旅行だったら、違う文化や生活スタイルを目の当たりにするのは勿論だけど、切符一枚買うだけで必死になるし、大冒険になる。
 その必死さが「怖い」を上回る「楽しい」になるし、「寂しい」って思う暇もなくなっちゃう。
 普段生活してて、そこまで生活上必要な動作に必死になることなんてないから、私は一人旅海外旅が楽しくてはまってるんじゃないかなって思ってます。

 

 勿論、事前準備はします。
 そんなに調べるか? ってぐらい。
 今夏旅したマレーシアとシンガポールの時なんて、2か国だったから調べものが多かった。 旅のしおりかってレベルのスケジュールをノートに書きだしたし、その日に合わせた洋服のコーディネートまで全部メモしたし、移動手段は1つだけだと心配だから複数調べた。
 なんだったら、パスポート盗まれた時に日本大使館で仮の渡航許可証発行してもらうのに謄本の写しが必要だって知ったから、本籍地の市役所から取り寄せました。流石に心配性すぎない? と言われそうですね。でも心配だったし、必要なくて本当に良かったです。
 言葉もできない、文化は机上でかじったかもしれないけど現実見たら圧倒される……のが分かってるから、トラブルに巻き込まれないレベルに、実際にそこに行って何も分からないでテンパる時間を少しでも減らすために調べまくるし、下手すりゃ実際に旅行してる時間よりも調べものしてる時間の方が多いかもしれない。

 

 ツアーは使わないのか? と聞かれたら、勿論使います。
 ツアーは安心と手間を売っているのだと思っています。調べ物や交通手段とか宿手配の手間を大幅に削減してくれるので。現地着いたら「ようこそ!」って声をかけてくれるガイドさんもいますしね。

 だから使える時は使うし、何より一人ではできないこと(大皿料理を食べるとか、自分で移動手段組むと酷く疲れる)はいっそ全てお任せしてしまった方が便利です。逆に「ここは自分で行けるな!」って思ったところは思い切って自分で手配する。

 

 一人旅は気楽です。
 たとえ飛行機で6時間移動した後にタクシー4時間の移動を組もうが、めちゃくちゃコストカットした旅をしているのにホテルだけ豪華にしようが、物欲と食欲を爆発させた旅をしようが、友達誘っても食いついてくれなさそうなマニアックな史跡巡りをしようが、そこにかかるリスクまでひっくるめて全部自分の自由です。
 それが楽しくないわけがないし、寂しいと思ったらその旅程に合いそうな誰かを誘うから安心してほしい。
 ただ、「怖い」って感覚は色んな意味でちゃんと残しておきたいな……と、なんとなく思いました。