朝7時。まだ眠い目をこすってホテルをチェックアウトする。
今日は憧れのマレー鉄道に乗って、イポーからクアラルンプール(KL)へ移動するのです。電車の時間は8時過ぎなのだけど、トランクを転がしている上に朝ごはんの調達もしたかったから1時間前に出発。
昨日渡ったキンタ川を境に、イポーは旧市街と新市街に分かれている。ホテルが集まっているのは新市街。ウォールアートを中心とした街の散策は旧市街がメインになります。
マレーシアは日が昇るのが7時半ぐらいの体感。まだ外は薄暗い。
やけに鳩がいるエリアがあると思ったら……
どうやら市場のようでした(物凄く気になるけど我慢)(そして直後、トランクに鳩の糞が)
昨日とは違う橋を渡って旧市街にある『南香(Nam Heong)』さんに到着。今やマレーシアのいろんなところで見かけるチェーン店『OLD TOWN WHITE COFFEE』の本店です。エッグタルトが有名と聞いて買いたかったのだけど、流石人気店。お店が混んでいて聞くタイミングを完全に見失う。
電車の時間まで意外とないし、こういう時のとっさの行動力のなさがいけないよな……としょんぼりしながら駅への道を行こうとして、同じ通りにコンビニにあるような肉まんの保温機を置いたお店を発見。
保温機には漢字表記と料金が書いてある。
うわーーーーーー!イポー、街からして中華系が多いけど(元々、錫の採掘をしていた中華系の人が多く住んだ街です)、やっぱり慣れ親しんだ言語に近い言葉見ると一気に安心する!!!
「我要菜包(やさいまんください)!!」
とっさに出てきた中国語のおかげで野菜まんゲット。
ただし、その後「イートイン?」という質問に対する返事が中国語でできず、「あ、テイクアウトです」とうっかり日本語で返事して不思議な空気になった気がした(袋に入れてもらえた)。
この時点で電車の時間まであと20分ほど。
慌ててトランクを引きずって、イポー駅へ。
イポー駅はコロニアル様式と言われる建築様式らしく、優雅でちょっと西洋的な香りがしました。
数年前までは駅がホテルになってたらしい。映画『アンナと王様』のロケ地だったらしい。うわー、泊まってみたかった(このうっすら感じる廃墟感も嫌いではありませんが)。
早速、日本で買っておいたチケットを握りしめて改札を通過。そして、マレー鉄道とご対面。
めっちゃ新幹線。
古くは産出された錫を輸送するために敷かれたマレー鉄道ですが、今ではKTMという名前で交通手段として使われています。
車両のポスター見ながら、「……あ、この銀色のやつ、8年前にマレーシア来た時にツアーで乗った気がする」と思ったけど、当時の最高車両が代替わりで新幹線から特快に転換したとかなのかしら。
朝ごはんの野菜まんを食べている内に、電車は定刻通りに発車。ついつい脳内にあの鉄道5分番組のメインテーマが流れてしまいます。
『これから2時間半、イポーからクアラルンプールまでの車窓をお楽しみください』と、あのナレーターさんの声を脳内再生しながら外を見る。
凄いぞ。ずっとゴム農園だ。
ちなみに車内改札でチケット確認があるのですが、こんな可愛いスタンプを押してもらえました。