鬼怒川温泉駅で切符を買い、川治温泉へ向かいます。
鬼怒川温泉は東武線ですが、そこから2つ先に行った新藤原から先は野岩鉄道という第3セクター系の鉄道に接続しています。更にこの電車、会津鉄道にも接続しているので、頑張れば福島県会津若松市まで行けてしまうというガッツのある人向けな路線です。
5年ほど前、福島は東山温泉からの帰りにこの路線をフル活用してスカイツリーまで帰ってきた事があるのですが、ただひたすら山の中を走る良い電車だった記憶があります。
そんな福島方面行の素敵な電車ですが、ICカード非対応のため、切符を買った方がスムーズです。社内で車掌さんが切符確認をしてくれますが、多分精算とか面倒そう。
やってきた会津田島行きの電車に乗り込み、川治湯元駅へ向かいます。
ちなみに1つ前の駅に川治温泉駅もあるのですが、お宿が多いのは川治湯元駅の方です。お気を付けください。間違えて降りたら、下手したら1時間は電車が来ないぞ!
たまにトンネルに入って携帯の電波が無くなる瞬間に、結構遠くまで来たな……と実感している内に、電車は川治湯元駅に到着。
山に囲まれたこじんまりした駅です。
コンクリート造りのどっしりした待合室に、何となく時代を感じます。
改札は地上階なので降りてみると、ロータリーには旅館の送迎車が来ていました。同じ時間に到着したお客さんが車に吸い込まれていくのを横目に、Google Mapを起動させてお宿へ向かって歩き始めます。
駅から少し歩いただけで、この風景。
駅には「ヤマビルに注意!」のポスターもあったので、夏の時期などは特に注意が必要そうです。
てくてく歩いて10分ほどで、今日からお世話になるお宿に到着。
事前情報(主に宿の公式HP)があまり無い中で、予約サイトのお庭の写真に一目惚れして決めたお宿です。色々調べてみると、廃業した老舗旅館を中国人の現オーナーさんが買い取って営業している純和風旅館だそう。
入口のアプローチも雰囲気があって凄くいい。
玄関に入ると、スタッフさんが優しく出迎えてくれました。
靴のまま上がってくださいと言われて、ピカピカな床を汚しちゃう……と、どぎまぎしながらチェックインいたしました。
(フロントの雰囲気はこんな感じ。庭が見える大窓に沿って椅子とテーブルが置いてあるので、ゆっくりお庭を見ることもできます)
お庭を突っ切るように渡された廊下を通って、お部屋へ。
掘りごたつだ! 掘りごたつがあるよお母さん!!!!!
海外からのお客さんも想定してるためか、お布団はマットレスを採用されてました。お部屋入ってすぐにお布団敷いてあるのはプライベートを重視したい私みたいな人には大変ありがたいです(あと、従業員さんの感染対策としてリスクを減らす面でも)。
予約サイトで朝・夕食付の一番安いプラン(エレベーターから遠い部屋)を申し込んだのですが、サイトの方にもお宿の状況によっては部屋を変える可能性がありますって書いてありました。運良く素敵なお部屋を割り当ててもらえたようです。
旅館なのでお菓子もある。
お部屋チェックしてみると、ポットとか急須は洗ってすぐなのかな? と思うような濡れ方をしていたので一瞬「ん?」とはなりましたが、取りあえずポットでお湯を沸かして急須と湯呑はすすいでから使うので問題なしです。
長く続いてるコロナ禍で観光業界界隈はとても大変だろうとお察しはしております。従業員さんを最小限で回すとなると、一人当たりの労力とコスト……って考えちゃうし、コスパがいい宿とかあっても料金にどう考えても見合わないレベルの高級旅館張りのサービス求めるなら普通に高級旅館行けってなるし、ちょっとの気になる点はゆるい気持ちでスルーしちゃった方がいい気がします(あまりにも気になる点はお宿へのアンケートとかに書くけど)。
どちらにしても、個人的には気になる点を上回ってサービスが徹底しているお宿だなって印象を受けました。
フロントの人の気遣いとかコミュニケーションの取り方とか凄くリラックスして滞在できたし、共用スペースも比較的綺麗だったし、アメニティも基本的な物はあったし、お風呂上がりの麦茶が置いてあったし、ご飯は派手さはないけど懐石料理スタイルのコース仕立てで基本的に美味しかったし、お布団変な臭いもしなくてふかふかだったし!!!
土日連泊して2万4千円ぐらいだったので、利益大丈夫だろうか……とやけに現実的な事を考えてしまうぐらいには、普通にコスパ良いと思う。
っていうか、掘りごたつとお庭が素敵な時点でテンション上がりまくりだし、好きになっちゃう……っていうか、このブログ書いてる時点で普通にリピートしたくなる、いい感じのお宿でした。
難点としては近所にコンビニなどないので、夜飲み物が欲しくなった人は宿の自販機を利用するか、宿に来る前までに調達しておいた方がいいです。
……思わず宿について思うあれこれをわめいてしまいましたが、お部屋にひとしきりテンション上がった後はお風呂をいただいてきました。
温泉は源泉かけ流しでお湯は透明な無味無臭。打ち身とか冷え症とかに効きますって、お風呂場に置いてあった説明書に書いてありました。温度は内風呂は私には丁度よくて、露天は少し温め。
お風呂の後は、少しうとうとしてからご飯を頂きにダイニングへ。
旅館でありがちな量がどかん! と出てくる感じではないのもありがたい。一部食べられないものはありましたが、全体的に美味しくいただきました。
ヒメマスの塩焼きも出たよ!
ご飯も食べたし、もう一回お風呂でも行こうかな……と部屋に帰ってきたのですが、急にどっと疲れが出て、立っているのもしんどいぐらいになってしまいました。
(しかしちゃっかり持ってきたおやつは食べた)
そういえば、昔どこかで読んだ記憶があるのですが、旅行ってそれだけで運動になるらしいですね。いつもと違う所に行くから頭も動かすし、普段よりも歩くし、旅館のご飯やお昼食べるから3食ちゃんと食べるし、温泉とかお風呂で血行も良くなる……。
そんな『運動』のおかげなのか、それとも1年半分の気疲れが一気に噴き出たのかは定かではありませんが、この日は芋虫の如く床を這って部屋風呂(余談ですがお湯がなかなか出ずに結構しんどかった)で済ませ、お布団に倒れ込んで意識を無くしました。