13時半頃、ホテル周辺に到着。
荷物を預けて、早速市内観光に繰り出します。
長崎市内の観光は路面電車をフル活用しました。Suicaでも乗れるので、大変便利。
まったくもってどーでもいい話なのですが、路面電車が好きです。なんでしょうね。道路を走っている時のあの視界が好きなのか、路面電車が走ってる街の風景がちょっとレトロな雰囲気がして好きなのか。
ごとごと走る電車の中から車窓を眺めている内に、原爆資料館駅に着きました。
実は、一度も行ったことなかったんです。平和公園。
長崎は過去に一度来たことがあるのですが、その時は用事がみっちりと埋まっていたのです。
今回はその時行けなかったところを中心にぐるっと回っていきます。
そんなわけで、平和公園へ。
長崎市公式観光サイトによると、原爆落下中心地の北側にあるこの公園は、悲惨な戦争を二度と繰り返さないという誓いと世界恒久平和への願いを込めて作られたとのこと。
え、エスカレーターあるの? と、予想外の文明の利器にびっくりしながら上がって行くと、被害者の霊に捧げられた平和の泉に到着。
……書かれた言葉の辛さと、綺麗な水の対比が何とも息苦しくなる。
平和祈念像も拝見しました。
冬の空に夏のあの日のことを考えてみる。
戦争についての記録を見たり、今も世界の様々なところで起きている戦争・紛争のニュースを見るたびに、普通に暮らしていた市井の人の事を考え、追体験して苦しい気持ちになってしまいます。
苦しさが先にきてしまうため、どういう風に言葉を出せばいいのか本当に分からなくなってしまうのですが、それでも、知っていることは大切だっていうのはわかってるつもりです。
知識として持つこと、当時を今に残す欠片を実際に見て、知識を追体験として肉付けして、自分たちの生きる時代に活かせるものと繰り返してはいけないものを意見として持つこと……っていうのが、歴史を学ぶことの意義の一つなんじゃないかなとは思います。こういう時にちゃんと言語化できないのが私の頭の悪さで悔しいのですが、来てよかったとは本当に思いました。
坂を下り、
下の川に沿って、
原爆落下中心地へも行きました。
近くの浦上地区にあった浦上天主堂の遺壁が移築されています。
重い気持ちをお腹に抱えたまま、路面電車に乗って、次の場所へ向かいます。
大浦天主堂。
1864年に建てられたカトリック教会です。
時代的には、明治時代に入る少し前。ペリー来航以降のあれこれ日米修好通商条約が結ばれ、生麦事件からの薩英戦争が起きたり……と、そんな感じの時期です。
開国へと日本が舵を切っていく、ターニングポイントと言えるだろう時代にできた建物ですが、それよりも約280年ほど前の豊臣秀吉による伴天連追放令や、その後の徳川幕府によるキリスト教禁教令などにより、潜伏キリシタンとして長期間信仰を隠して生きていたのです。
その後、この教会がきっかけで潜伏キリシタンの人達が『発見』されたり、天主堂が建った25年度の1889年には明治憲法で信教の自由が保障されたりと、様々な時代の変化があったわけで。
2018年には世界遺産『長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産』の一つとして登録された場所でもあるので、歴史を調べながら訪問するとより楽しいと思います。五島列島も行ってみたいね。
大浦天主堂まで来たなら、ここも行かなきゃ駄目でしょ。と、観光の最後はグラバー園へ来ました。
長崎開港後に来住したイギリス人商人グラバーさん達の邸宅があったエリアです。実は旧グラバー住宅は現存する日本最古の木造洋風建築だそうで、うっかり重文な建築が3つもあります。
雰囲気が良いエリアとして遊びに行くのも、建築を舐めるように見るのも楽しい場所。
とりあえず、旧自由亭でおやつにクランベリータルトパイとコーヒーを頂きます。
園内の一番高いところにある旧三菱第2ドックハウス。
2階から見える海と、三菱重工の造船ドッグと思わしきエリアが印象的です。
椿や
冬バラ(だと思う)
梅だったか桜だったかも見れました。
夕日がまぶしいけど、心が和むいい時間帯にお邪魔できました。
旧オルト住宅のエントランス。
一番奥の旧スチイル記念学校も見てきました。
そして、旧グラバー住宅はやっぱりなんというか『美人』な建物だと思う。
内装は勿論だけど
この辺とかはいかにもな日本瓦なのに、洋館としてのデザインの邪魔をしてないのがまたいい。
冬の霜のような窓ガラスが素敵。
駅方面の景色。改めて坂の街だなぁ……と実感させられます。
たっぷり良い景色を見たので、帰ります。
(うっかり良さげな路地裏も覗いた)
お夕飯は中華街へ。
立ち食いができるお店やお土産屋さんは結構店じまいしていて、若干閑散としておりました。
辛いちゃんぽんと
ハトシを頂いてきました。
ハトシは広東料理のエビトーストが長崎流になってる揚げ物。重いけど美味しかったです。
ご飯の後は、出島の周辺をうろうろしながらホテルへ歩いて帰りました。
なかなかな弾丸観光だった気がしますが、色んな時代に思いを馳せる機会になり楽しかったです。