10時20分、武雄温泉駅。
無事出発時間に間に合ったので、電車に飛び乗ります。
乗ったのはこちらの電車です。
2022年9月に誕生した佐賀-長崎間を運行する観光列車です。行きと帰りのルートが違うので、往復で乗るのも楽しいのですが、今回は長崎までの片道乗車。
ラウンジ付きの3両編成、全席指定となっております。
入ってすぐ、客席のデザインがやばい(語彙力の欠如)。
座席周りは勿論なのですが、お洒落な壁紙や仕切の細工物など、一つ一つがこの列車のために造られたものなのが分かります。凄く豪華なのに、喧嘩しないゴージャスさ。
ラウンジも豪華絢爛です。
座席、本当は窓際席を取っていたのですが、お隣に座った台湾から来たのだというご夫婦が通路挟んだ両隣になってしまっていて、色々ご不便そうだったので交換しました。それでも移動中に空きスペースで窓の外を眺めたりもできたので、十二分に楽しかったです。
長崎までの旅程は有明海沿いを回る『有明海コース』。約3時間の移動で6駅に停まります。
行きしなの風景を見るのも楽しいのですが、各駅でおもてなしがあるので、意外と席を立つことも多かったです。
例えば、江北駅・肥前浜駅で地元の名物が売られているのを物色したり。
多良駅で幸せの鐘を鳴らしてみたり。
すぐ横が海の小長井駅で、いい感じの車両を取るのに全力を出してみたり。
各駅で楽しい事もあり、移動中はラウンジで談笑する人がいたり、ラウンジで行われるイベント(要予約)に参加したりと、飽きない移動ができました。
記念スタンプを押してみたり、
ラウンジへ行って限定品のお土産を買ってみたり、
急遽お隣さんになっていただいた鉄道マニアなお兄さんとお喋りをしてみたり(JR九州の列車のデザインってどれも豪華ですよねって話に花を咲かせてしまいました……お兄さん、ゆっくりしたかっただろうにその節はありがとうございました)、
中国語と英語を織り交ぜてちょっとだけお喋りさせていただいたお隣のご夫婦から、席替えのお礼にとみかんのお裾分けをいただいたり。
私にしては珍しく、コミュニケーションをめちゃくちゃとる旅をしてました。
ところでこの『ふたつ星4047』、事前予約でお弁当を買う事ができるのですが、私としたことがどれにするか悩みすぎて予約時間を逃すという大ポカをやらかしておりました。
代わりに武雄温泉駅でお弁当を買ってきました。
丁度お隣の席のお兄さんが車内限定弁当を買っていらっしゃったので、お写真を撮らせていただきました……いやもう本当にその節はありがとうございました!!!!!
お弁当自体は武雄温泉駅にある「カイロ堂」さんが手がけた物なので、私が買ってきたものと出自は同じなのですが、豪華さが違います。やっぱり、ちゃんと事前予約しておいた方が良いですね……
ラウンジで買ってきた冷たい嬉野茶と一緒に美味しくいただきました。
嬉野茶はすっきりしていながら緑茶の渋みと甘みがあって飲みやすかったし、佐賀牛のお弁当は牛肉のうまみが甘い醤油と合わさって大変美味しかったです。
他にも、ラウンジで開催された有明海苔の食べ比べに参加してきました。
海苔の事をお勉強しながら、色んな食材と組み合わせて楽しむ美味しいイベントでした。有明海の海苔は潮の満ち引きが強いから味が濃いし、お口の中でほどけると海の美味しさがぶわっと来ました。塩むすびは勿論、かまぼこやチーズと合わせるととても美味しいおつまみになりました。
更には、肥前浜での休憩の時には、買ってきた地元のお菓子『ケーランひだりむね』をおともに駅舎をのんびり観察したりもしてました。
こちらのお菓子はどうも豊臣秀吉が朝鮮出兵のさなかに出されたもので、お気に召したらしく「あれを食わなければけーらん(帰らん)」と言った……という逸話があるとかないとか。あっさり甘さと塩味が効いたあんこと、もちもちの餅が美味しゅうございました。
余談ですが、この時のおもてなし販売で、DA PUMPの『USA』のサビを替え歌で「どっちらの海も干潟♪」と歌い上げた後、「佐賀はねー、どっちも干潟なんだよ!有明海と玄界灘!」とのたまってたおじさまが忘れられないので、今日も明日も元気でいて欲しいです。未だに脳内にたまによぎります。
そんなこんな、楽しい列車旅を終えて、13時15分に長崎駅へ到着。
工事中の駅周りで軽く道に迷いながら、路面電車の駅を探します。