18時過ぎ、定刻よりも少し遅れてバルセロナ駅に到着。
朝辿った道を思い出しながら、猛ダッシュでホテルへ戻ります。
夜からはこちらのツアーに参加の申込みをしていました。
今回のバルセロナ滞在、一人で全てやるのは無理だと早い段階で察していたので、VELTRAさん経由で現地発着ツアーや予約を入れておりました。言葉が全くできない状態での一人旅、行動単位が基本的にカップルまたは家族単位が基本の海外旅行では、ツアーを上手く活用することをおすすめいたします。
ちなみに1人参加だと料金が倍になることもありますので、数は少ないですが混載ツアーを上手に使いましょう。お財布への優しさが格段に違います。
待ち合わせは滞在していたホテルなのですが、見事に5分遅刻。ガイドさんに平謝りしながら、もう一組いらっしゃるというツアー参加者様を迎えに走ります。
もう一組のツアー参加者様は、丁度今日バルセロナに着いたというご家族。大変気さくな方で、すぐに打ち解けさせてもらえました。ありがたい。
参加したツアーは、3件のバルを巡りながら旧市街のゴシック地区を散策し、最後はライトアップされた夜のサグラダ・ファミリア外観を見て終わるというもの。夏のバルセロナは夜が遅く、日が落ちてくるのが21時近くなので、たっぷりしたツアーとなります。
まずはカテドラル(大聖堂)。ヨーロッパの街にはそれぞれに守護聖人がおり、バルセロナはローマ帝国時代初期のキリスト教弾圧の際に殉教したエウラリアさんというお嬢さんが守護聖人になっているそうです。
聖人の方は何かしら本人だとわかるモチーフを持っており、聖エウレリアさんの場合は、彼女が磔にされた時に使われた十字架を持っています。
カテドラルがある広場にはローマ帝国時代の城壁が残っているそうなのですが、その近くには可愛らしい絵が描かれた建物が。
実はこれ、ピカソによるもの。民族舞踊やお祭りで行われる人間の塔(アルス・カステイス)、王と女王の巨大人形などが描かれています。
大聖堂横の細い路地を歩き回り、まずは熟成肉が美味しいというレストランを併設した、ピンチョスのお店へ。
ピンチョスはパンの上に様々なおかずが乗って、楊枝で止めてあるお料理。お店によっては楊枝を地面に落としてお店の人気を示すところもあるみたいですが、こちらでは自分が食べた分の換算を楊枝の数でやるので、お皿の上に載せておけば大丈夫でした。
日本のご飯感覚で考えてしまう自分がいてお恥ずかしいのですが、私の感覚だと、ピンチョスは、大体寿司です。お魚の酢漬けが乗ったピンチョス(これがなかなか美味しい)を食べてしまったこともあり、その感覚はかなり強くなってしまいました。
バルセロナ市庁舎、カタルーニャ州庁舎が向かい合う広場を経由して、続いてはタパスのお店。
こちらではボンバという小さなメンチカツみたいなコロッケや、タパスの定番であるししとうの素揚げ、イカのソテーなどをいただきました。
ところでバルセロナ市内のレストランでは結構な頻度でオープンエアのお席を見かけました。欧米の方は夏の空気を外で味わいながらお食事するのが大好きなので、どこもオープンエアのお席は満員です。逆に店内はガラガラだったりする。
丁度この時期、地下鉄L2線が工事中で、無料の代替輸送バスが走っていて、それを使って最後はサグラダ・ファミリアへ。
うわーーーーーーー!!!! サグラダ・ファミリアだーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
サグラダ・ファミリアはガウディ建築の現在進行系として有名ですが、実はガウディは2代目の現場監督だったりします。
この教会は日本語訳すると『聖家族教会』。元々はこのエリアの本屋の親父さんが恵まれない人々にも開かれた教会を作りたいと思ったのがきっかけ。初代現場監督さんは予算の都合でカツカツになる建築に白旗を上げて交代となり、ガウディが2代目に就任したのでした。
なお、そんなガウディは晩年の全てをこのサグラダ・ファミリアに費やしたのですが、仕事終わりに先程出てきたサンタ・エウレリア教会へ日課のお祈りへ行こうとしたところ、路面電車に轢かれてしまい最後を迎えます。彼の遺体は今、サグラダ・ファミリアにあるんです。
その後も現場監督が変わり、間に世界大戦やスペイン内戦で一部が破壊され、ずっと出来上がらない建築となっていたサグラダ・ファミリアですが、もうちょっとでできるらしく、できあがるまでに見に来たかったので、夢が叶いました。
ライトアップされたサグラダ・ファミリアは、近くの公園から見ると、逆さ富士ならぬ逆さサグラダ・ファミリアも見れます。
うっかりテンション上がりすぎて、普段しない自撮りもしたし、ガイドさんにも写真を撮って貰いました。大満喫しております。
ツアーのシメは、サグラダ・ファミリア近くのお店で良いハモン(生ハム)をいただきました。これが本当に美味しかった……!
こちらでは、バルセロナのご当地タパス『パン・コン・トマテ(トマト付きのパン)』も自作しながらいただきました。
作り方は至って簡単。①焼いたパンを用意する、②生のにんにくをなすりつける、③生のトマトをなすりつける、④最後にオリーブオイルをひと垂らし。これで、完成です。
ハモンを乗せてもよし、そのままかぶりついてもよしの美味しいパンになりました。ちなみにハモンは現地では指で摘んで食べるのがお作法。ぺろりと摘んで美味しくいただきました。
これでツアーはおしまい。
実は翌日申し込んだツアーに、同行されてたご家族も参加するという驚きの世間の狭さに笑いながら、楽しく「また明日!」とお別れしてホテルへ戻りました。