そもそもキャメロンハイランドってどこやねんという話になりそうなので、ウィキペディアを開いてみると、こうある(キャメロンハイランド - Wikipedia)
『キャメロンハイランド(Cameron Highlands, 中国語: 金馬侖高原)は、マレーシア、イポーの北約20km、クアラルンプールの北約150kmパハン州にある高原リゾート。標高が1,500mを超えるため、年間を通じて気温が20℃前後と涼しい。 タイのシルク王として知られたジム・トンプソンが謎の失踪をとげた場所としても有名で、彼が滞在した「ムーンライト・バンガロー」は今でも丘の上に現存する。』
要は、イギリス植民地時代に拓かれた高原地帯で、南国とは思えない涼しさから紅茶の生産をしてきてて、今では国内外を問わず人気の高原リゾートで、ミステリーの要素もあって、リタイアした日本人が結構滞在してるらしい……っていう、そんなところです。
実際、泊まったホテルはクーラーなんてなかったし(むしろ暖炉があった!)、窓を開けて寝ていると寒いぐらい。
分厚い布団に潜り込んで、心身共にリセットすべく無理やり眠っていても、寒さで目覚める。気付いたら朝だった。
山に隠れているせいか、朝7時でもまだ薄暗い。
朝食を摂るべく、コテージから出て本館へと向かう。私と同じく宿泊客と思われる中国人の女の子たち以外、誰もいなかった。
うろうろしている間に彼女たちが厨房の方にスタッフがいるのを発見してくれて、ようやく朝食が始まる。コーヒーか紅茶か聞かれて、熱いコーヒーを所望した。1日ぶりに飲むコーヒーの暑さと苦さが物凄く落ち着く。
朝ごはんは伝統的なコンチネンタル・ブレックファーストでした。ジュースか果物、シリアルかポリッジ、調理方法が選べる卵とソーセージ、あとはパン。
私はトマトジュースとポリッジ、卵はスクランブルエッグでお願いしました。
やはり、量が多い。
昨夜お腹を壊していたのもあって、全部は食べられなかった。ポリッジが全く味がしないはずなのに調子が悪いお腹には丁度良いのがなんだか切ない。
ただ、イチゴジャムとママレードがびっくりするぐらい美味しかった。
ごろっとした果実としっかり甘いイチゴジャムと、甘いはずなのにオレンジピールの苦みが効いているママレード。どちらも美味しくて買って帰りたいぐらいだったけど、流石に初日から荷物を増やすのは得策ではないと諦めた……またお金を貯めて行きたいと思います。
食事が終わって、荷物を片付けたら9時頃にホテルをチェックアウトして、呼んでもらったタクシーでタナ・ラタへ。
キャメロンハイランドを観光するには現地ツアー(朝8時から午後2時ぐらいまでというのが多い)か、タクシーをチャーター(25MYR/時間)の二択ぐらいしかない。バスはなくなってしまったみたいなので、今回はタナ・ラタのタクシースタンドからタクシーをチャーターすることにした。
本当はホテルからタクシーチャーターしても良かったんだけど、30MYR/時間と聞いてちょっとだけ節約したのは言うまでもない……前日のタクシー代が地味に心と財布に響いているんだ。
チャーターしたい旨と帰りの方法(滞在残り時間)を伝えたら、どこに行きたいか聞かれたので、Cameron ValleyとBOH Tea EstateとButterfly Gardenとサンポー寺院をお願いした。
行く順番は標高が高い所から低い所へなので、BOH Tea Estate → Butterfly Garden →サンポ―寺院 → Cameron Valley。「特にBOH Tea Estateは渋滞が凄いから、一番に行くぞ!」と運転手さんがアクセルを踏みながら言った。
流石高原リゾート。クーラーをかけなくても、窓から入ってくる風が気持ちいい。昨夜泊まったホテルの話とか、リタイアした日本人はあそこのホテルに沢山泊まってるよとか、最近は週末ごとに観光客が多くて道路の渋滞が酷いんだ。オールシーズンだぜ!? とか色々話してくれる運転手さんの話をふむふむと聞きながら窓の外を見ていたら、大きな道からすれ違うのも大変な細い道に入って行くうちに、茶畑が。
ぽこぽこしている緑のは、全部茶畑。
流石マレーシアを代表する紅茶メーカーの畑なだけあって、広いなぁと呆然としながら車窓を見ていたら、運転手さんが「20年ほど前までは、全部手摘みだったんだ。今では機械化されてるけど、手摘みの方が新芽だけ綺麗に摘むからいい紅茶ができるね」といった感じの説明をしてくれた。
この見渡す限りの茶畑を手摘みとか、気が遠くなりそうだ。
聞けば、やはり一日には数kgしか詰めなかったというから、とんでもない。
写真を撮る時間を貰いながら、タクシーは従業員の居住区域を抜けて(普通にお寺的なものがあるからびっくりした)、工場やティールームがあるメイン区域へ。40分ほど自由時間を貰って、工場見学をして、茶畑の中を歩いて、ショップでお土産を物色する。
ティールームは行列が長くて早々に諦めたけど、工場でできたての紅茶の香りをたっぷり味わえたので充分幸せな気持ちになれました。日本では買えないフレーバーもしっかり買い込んで、次の目的地 Butterfly Gardenへ。
チケットを買って、見ておいでーと運転手さんに見守られて園内へ。
ここは、熱帯地域の蝶々が放し飼いになってるというところなんだけど……
蝶だけでない。
何故かウサギがおる。
烏骨鶏?もおる。
他にもナナフシとかクワガタとかでっかいヤモリとかでっかいバッタとか蛇とか蛙とかサソリとかいます(写真は流石に自粛する)。
めちゃくちゃゆるい動植物園的な感じがして、個人的には嫌いじゃないです。というか、結構好きです。
その後は、更に来た道を下って、ブリンチャンというタナ・ラタよりも少し標高が高い街へ。この時点で、対向車線の車の渋滞が洒落にならないレベルで(どこまで行っても数珠繋ぎ)、運転手さんが最初に言ってたことは本当だったんだ……と震えました。キャメロンハイランドの観光は朝早い時間に終わらせた方がいいです。待ってる時間が凄いストレスになると思う。
ブリンチャンではサンポー寺院に寄って、この先の旅行の無事をお願いしてきた。
風鈴の音がどこからともなく聞こえてきて、静かないいお寺でした。
さぁ、それじゃあ最後にCameron Valleyでもう一回茶畑見て心を洗うか! と思ったら……
渋滞に引っかかりました。
実はCameron Valleyって、今まで行った街や観光名所よりも更に標高が低い所にあるのですよ。
標高の高い順に並べると、こんな感じ。
【高い】 BOH > Butterfly Garden >ブリンチャン(サンポー寺院) >ホテル > タナ・ラタ >Cameron Valley 【低い】
で、それが大体全部一本の大きなメイン道路沿いにあると考えてもらえればいいのです……つまり。
一つ街を抜ける度に大渋滞。
人気観光地(BOH Tea Estateとかお茶関連は観光の大目玉)に近付く度に大渋滞。
下手したら、街を一つ抜けるだけで1時間かかるとは運転手さんの弁。
「これがこのエリアの問題なんだよ」とぼやきながらも抜け道を駆使する運転手さんだったけど、流石にタナ・ラタを抜けたところでブレーキを踏みました。
運「嬢ちゃん、前の渋滞が見えるか? Cameron Valley行きの道はここなんだけど、これだと行って帰ってくるのに1時間以上はかかるぞ。バスに乗り遅れる」
私「……やめましょう」
時計を見たら、バスの時間まであと2時間。
タナ・ラタでお昼を食べてバスに乗れば、丁度いい感じのぐらいの時間帯でした。
それじゃあ、話は決まったな……とUターンした運転手さんでしたが。
直後、渋滞。
二人揃って「すまない!」「いや、こちらこそ無茶なプランをすみません!」と謝りながら、1時間かけてタナ・ラタ手前から町の外れのタクシーターミナルまで過ごす羽目になりました。