まずは、ホアンキエム湖へ……と思ったのですが、歩き出して十数歩で好物を発見してしまい、足が止まりました。
ロンガンです。
漢字では龍眼と書くフルーツです。硬い皮を剥がすと乳白色の実と大きな種が入っていて、ライチから酸味を取ったような優しい甘さがあります。
行商のおばちゃんが自転車の後ろに乗せた籠の中にそれがあって、思わず近寄ってしまいました。おばちゃんも外国人観光客には慣れているようで、「味見してみなさいよ」と一粒試食させてくれました。おいしい。
ベトナム語はわからないので財布(代わりのポーチ)を引っ張り出しながら「これ欲しい」と指さすと、おばちゃんはどこから取り出したのか分銅付きのはかりでロンガンを図ってくれました。どうやらキロ買いのようです。「そんなにいらない……」とはジェスチャーで伝えたのですが、その辺りはダメでした。料金を払い、ロンガンを受け取ります。
……ちなみにロンガン以外でも言えることですが、行商さんから、しかもお昼過ぎともなると果物の甘い匂いにつられて蟻さんがくっついてきたりしています。果物買ったらホテルで一回果物洗ってから冷蔵庫へ突っ込むのを強くお勧めしたい。
ちなみにドリアンやマンゴスチンといった匂いが強烈な果物はホテル持ち込み厳禁となっていることが多いのでその場で食べることを強くお勧めします。
本当にあの果物は臭かったり甘かったりと匂いが強烈だよ!
今回は行商のおばちゃんが気を使ってくれたのか蟻がついていない枝を探して袋に入れてくれたので、そのままロンガンをぶら下げてホワンキエム湖へ向かいます。
バイクも車もガンガン通る道をキョロキョロしながらなんとか渡り、ホテルから10分もしないうちに到着。
いい風景です。
ハノイっ子の憩いの場だそうで、土日は歩行者天国になってました。
のんびりベンチに座ってたり、魚釣りをしていたり、路上でダンスをしていたりとみんな楽しそう。
私はといえば、湖畔を歩きつつ、明日参加するツアーの集合場所の下見にルートを確認しに散歩をしました。
湖の南端まで行ったところで、左に曲がり、まっすぐ行くと……
オペラハウス。
ベトナムは昔フランスの植民地だった事もあって、お洒落な建物がちらほら残っています。マレーシアやシンガポールで見るショップハウスと似ているようで2階部分がせり出していないベトナムらしい建築もいいですし、建物を見ながら町を歩くのがとても楽しい。
明日の集合場所も大体目安がついたので、いったん戻ります。
その前に、2件観光地へ立ち寄りを。
まずは、玉山祠。
ホアンキエム湖の島中にあるベトナム建築様式のお堂です。
関帝様などの道教の神様が祀られている他、明(中国)からの独立運動をしていた時に神様から借りた宝剣を亀に返したという伝説があることから大きな亀の剥製が展示されています。
もう一つは、タンロン水上劇場。
水の舞台を使ってすだれ越しに人形を操る劇が見られる専用劇場です。後で来ようとチケットオフィスでチケットを購入しました。購入時に席が指定できるので、早い時間に購入すれば一番安いチケットでも真ん中ぐらいの席を取ることができました。
軽い観光と夜の準備もできたので、一度ホテルへ戻り、ロンガンを仕込んでから冷蔵庫へ入れ、再度街中へ。
時間は6時過ぎ。だんだん街中も暗くなってきます。
街の表情が変わるのを楽しみながら、再度タンロン水上劇場へ。
チケットを見せて上階へ行くと、謎の坊や(?)がお迎えしてくれました。若干顔が怖い。
木でできた魚のモビールも飾ってありました。
劇場内は冷房と扇風機がガンガンに効いていて快適。
劇は生演奏、生歌をBGMに水上の舞台を余すことなく使ったエンターテイメントでした。とても雑な和訳のリーフレットもあるから、何となくプログラムも理解できます。
劇も終わり、お腹がすいたので手近なところで済ませます。
劇場の並びにあったバインミー屋の牛肉団子とチーズのバインミーとパッションフルーツのジュースを立ち食い。
バインミーとはソフトタイプのフランスパンを焼いて、真ん中にどっさり具を挟んだベトナム風サンドイッチです。
フランスの食文化の影響を受けているせいか、ベトナムはただでさえご飯が美味しいのに、パンとプリンも美味しいのです。しかもボリューミーなのが嬉しい。
歩行者天国の広場になっているエリアではロックフェス的なものをやっているのを横目で見ながら、旧市街方面へ。
旧市街は通りごとに同じジャンルのお店が並んでいるので、一本ずつ通りを見ていくのも楽しいです。
更にはナイトマーケットや飲み屋さんがどどーん!と姿を現してきます。私が泊まったホテルは飲み屋さんが軒を連ねるエリアなものだから、この大盛況。
この写真、どちらもホテルの前で撮りました。
屋内禁煙のため、ホテル前の灰皿で煙草を吸ってたら階段に行商のおばちゃんが「ちょっと一休み」と言わんばかりに普通に座ってたり、いつの間にかホテルの前まで道幅を塞がんばかりに飲み屋さんのテーブルと椅子が並んでいたり、そのせいで細くなった通路に普通にバイクが進入してきたりと大変なカオスです。すげぇな、これがベトナムか。めっちゃ元気だわ。
排気ガスと一緒に人のパワーまで吸った気持になったので、もうちょっと散策をします。飲み屋街を抜けて、ふらふらしていたらマッサージ屋さんを発見。
「VIPマッサージ」と書いてあったらいかがわしいお店なのですが、書いてないしプロモーションで「Foot」の文字を見かけたので、お邪魔してみました。
短髪がボーイッシュで可愛いお姉さん(シャツが肩出しなものだからちょっとセクシー)に1時間しっかり揉んでもらいました。ベトナムのマッサージも比較的圧が強いと聞いていたのですが、加減してくれたのかちょうどよい気持ちよさ。
店員さんは受付のお姉さん以外英語が話せないようでしたが、片言の英語でちょっとだけお喋りしたり、ベトナム語での「ありがとう」の発音の仕方を教えてもらったり(ベトナム語は音調が6つある。ちなみに中国語は4つ)しました。こういうのが楽しい。
マッサージが終わって足も軽くなったので、ホテルに帰ろうとしたところで路上のアイス屋さんに掴まりました。メニュー見せてもらってココナッツアイスがあったから注文したけど「無いからこれにしろ」と半強制的に抹茶オレオに。
雑だなー!
だが、そういうの嫌いじゃないよ!
結論から言うと一口目で「甘っ!!!」と言うくらいには甘い。抹茶の味とオレオの味はちゃんとしました。
この後ホテルまで戻ってきたら、風船売りがいました。すげぇ。お祭りみたいだ!
そんなこんなで初日からめいっぱい楽しんでホテルで寝ました。ちなみに、ホテルの中は表の喧騒が嘘みたいに静かでした。ほんといいホテルだ……