十年ぶりに行く香港の知識をある程度アップデートせねばと思って色々調べている内に知ったのですが、『香港アプローチ』という言葉があるらしい。
今はない啓徳空港が市街地に近すぎたため、パイロットにとって着地の技術がとても難しかったとのこと。だからか、香港のパイロットの運転技術は高かったらしいです。
そのせいなのか、ただ単にこの知識を持っていた私の欲目なのか、香港国際空港に着地した瞬間があまりにもスムーズすぎて、到着したのに気付くのが一瞬遅れました。
香港の気温は晴れ。最高気温33度、湿度70%と完全に夏の天気で、雨続きの関東から来た体は一気にやられる。控えめに申し上げて、死ぬほど暑い。
館内禁煙のため室外にしかない喫煙所で溶けかけながら煙草を吸い、移動開始。
ハブになってる空港はどこもだけど、香港国際空港もやっぱり広い。第一、第二ターミナルの他にミドルエリアの搭乗口もある。今回はLCC利用のため、ミドルエリアに到着したので、モノレールで第一ターミナルまで向かいます。
やけに速いモノレールの乗降口は地元漫画家さんとのコラボをしているようでした。
(帰りも見かけた)
イミグレを抜け、身支度を整え、現地貸出のWi-FiルーターとSuicaのような電子決済カードであるオクトパスカード(八達通)を入手して、市内に向かう空港快速に乗って市内へ。
車両の新旧があるのだと思いますが、一部車両には充電用のUSBポートがありました(写真はないバージョンですが)。
一時間もしない内に電車は九龍駅に到着。
駅から無料で出ている観光客向け送迎バスで、ホテル近所まで向かいました。
ネイザンロードだーーーーーーーー!!!!!
大好きなクレイジーケンバンドの名曲「香港グランプリ」で何度聞いたでしょうかネイザンロード。物凄くテンションがぶちあがります。
ホテルにチェックインして荷物を置いたら自由時間。今回の旅の同行者である妹は夕方到着なので、それまでは一人旅モードです。
まずは近所の食事ができる場所確認も兼ねて、ホテルすぐ近くの茶餐廳(チャーチャーンテン)に入りました。簡単に言えばファミレス的な何でもあるご飯屋さんです。入った時間がお昼のピーク時だったため、相席でした。よくあることらしい。
大量にあるメニューに悩みたくなりますが、胃腸のお伺いも立てねばならぬので簡単に腹を充たすことにしました。
叉焼と卵のサンドウィッチと、檸檬水(水に檸檬とガムシロが入っている)。叉焼が甘めなのと、軽く焼いてあるのか端っこがかりかりして美味しかったです。
ご飯を食べた後は、気になっていたモンスターマンションに向かう事にしました。
詳細はこちら。
映画『トランスフォーマー』などでロケ地として使われているみたいなのですが、一般の方が住んでいらっしゃるエリアです。写真撮影が禁止されていたりされてなかったりとその時々で違うのですが、とりあえず見てみたかったので行ってみることに。なんかあったら最近できたというコーヒーショップ『% Arabica』に行ってみればいいかーぐらいのラフな気持ちで電車に乗りました。
ちなみに『%Arabica』は日本人経営者がやってる洒落たコーヒー店で京都にもお店はあるみたいなんですけど、最初に店舗できたのは香港だそうで。スターフェリー乗り場(Upper deck)の尖沙咀側にもありました。
赤い路線のTsuen Wan Lineで金鐘(Admirality)まで移動し、Island Lineに乗り換えて鰂魚涌(Quarry Bay)に向かいます。
金鐘は最初のデモがあったところなのですが、物凄く普通でした。厳戒態勢が敷かれているわけでもなく、本当に普通にオフィス街の駅。
ちなみに危惧していたデモの影響ですが、到着日は何もありませんでしたし、週末にかけて行われていたデモも全て九龍半島(しかも大陸に近いエリア)だったためか、観光する分には何の問題もありませんでした。
とはいえ、ニュースではデモの様子をバンバン流していたし、日本の外務省から来る渡航者注意情報もがっつりメールが送られてきていたので、行く際には現地の情報をできる限り収集していくのに越したことはないと思います。ネットでいくらでも調べられる時代ですし。
海外に行く際は『たびレジ』の登録をお忘れなきよう!
鰂魚涌に着いたところでトイレを済ませ(ちなみにトイレは改札の中にあります)、散策開始。地図を見ながら10分ほどうだるような暑さの中を歩いたら……
ありました。
外観でこの迫力。
多分建物的には20階建てぐらいだと思うのですが、それよりも人の暮らしが圧縮されたような建物の迫力にもっと高いビルのようにも感じてしまいます。
とはいえ、これはあくまでも外観。
モンスターマンションはコの字型になっているビル×3軒らしいので、今見ているのはコの長い棒部分のはずです。反対側にビルに囲まれた中庭があるはずなんだけど、やっぱり回らなくちゃ駄目かしら……と思いながらうろうろしていたら、「水族館」と書かれた張り紙を発見。
こんなところに? と不思議に思いながら通路に入ってみると、ありました。
……ここやん。
余談ですが、「水族館」というのは金魚中心のペットショップのようでした。そうか、香港ではそう書くのか。
建物の構造としては、中庭をぐるりと取り囲むように建ったマンションの1階はお店になっていました。散髪屋さんとか、ご飯屋さんとか、マッサージのお店とか。近くに市場もあるみたいなのですが、外側の1階には八百屋さんや魚屋さんも見かけました。
本当に生活の場だ……これはあまりお邪魔しちゃいけないなと思いつつ、辺りを見回すと写真を撮っている人がちらほら。どうも今の時期は撮影禁止ではない様子。
撮りました。
なんだろう。ドキドキが止まらない。
お世辞にも綺麗なマンションではないです。
どちらかというと崩れ落ちそうな不安すらある建物です。
だけど、人が住んでいるというパワーが強い。この力強さ的なものをアジアの街をうろちょろしていると強く感じます。生きてる! ってオーラを感じると言いますか……そういうところがとても好きで、私はアジアの街歩きをやめられないのかもしれない。
余談ですが後日ガイドさんに聞いたところ、似たような築年数と思われる建物は尖沙咀にもありますが、駅から近いという事もあって2LDKで7,000万円ぐらいの価格だそうです。ななせんまんえん。
凄いや香港、流石土地が狭いだけある……駅から遠いし中心地からちょっと離れてる(とはいえ中環から20分もかかってない体感)とはいえ、ここもきっとお値段高い。
この後、更に道に迷い、何故か地下へ行ったのですが……
リニューアルしたばかりのショッピングエリアがありました(リニューアル直後のせいか店舗はガラガラ)。こんなギャップも素晴らしい。
折角なので持ってくるのを忘れたウェットティッシュを調達し、地上に戻ります。
さらにうろうろしてたら、無事『%Arabica』も見つかりました。
アイスラテ(Single Origin)が600円ぐらいなので、お手頃とは言えない……でも酸味が効いてるコーヒーで美味しかったです。
建物もコーヒーも満喫したところで、そろそろ帰ることに。
表通りに戻ると、古いビルと新しいビルが混在している周辺の雰囲気もたまらないものがありました。