スペイン滞在最終日の夜9時頃。
空港近くのホテルを取ったので翌朝の移動の心配は薄めなのですが、一つだけ懸念事項がありました。
お夕飯は、ホテルのレストラン一択。
空港近くのホテルって、周辺にお店があまりないのはどこの国でも共通のようです。
地図を見てみると一応近所にスーパーはあるようなのですが、そろそろお外も暗くなる夜9時に、土地勘が無いエリアを女一人でうろつくのは流石に治安がどの程度か分からない的な意味でも、私の気力体力的な意味でも不安があります。
ただ、欧米圏のレストランってアラカルトで頼む場合、スターターからメインディッシュへとコース仕立てで自分で設定組むのが当たり前なので、フードファイトになっちゃう事が多々あります。ただでさえ、海外のご飯ってボリューム多い印象あるし。
フロント横にあるレストランに行ってメニューを見ると、案の定プレートセット的な優しい世界があるわけでもなく、アペタイザー(前菜)とメイン料理、お酒にデザート……と、悩ましい文字が躍っておりました。
しかも、お客さんも店員さんも人少なすぎて、本当に入っていいのか悩む……。
おどおど覗く不審者になりながらうろついていると、併設のバーカウンターから背の高いスキンヘッドのちょっと怖そうなお兄さんがやってきました。
完全に雰囲気に気圧されてびくびくしながら「レストラン入りたいんだけど……一人でも大丈夫かな?」って聞いたら、ウェイターのお兄さんは微笑み、
めっちゃセクシーに「Yes,Come on!」とおいでおいでしてきました。
まさかのラテン感満載なウェルカムオーラをくらって、うっかり笑ってしまった。
その後もウェイターさんは普通に優しくて、「1人だったらスターターにこれがいいよ。美味しいよ。あと、メインはここに書いてあるよ」とアドバイスをくれました。大体これで緊張がほぐれたので、何とか落ち着いてメニューを再確認します。
結局、前菜はお勧めされたお米入りのシーフードスープ、メインはステーキ(本当はチキンピカタを頼みたかったのだけど、ストックが無かった……)、飲み物はネスティ―を頼み、一息つきます。
案内してくれたお兄さんはバースタッフだったみたいで、レストランに入ってからは他のウェイターさんに引き継ぎされました。そっちのウェイターさんは普通にクールなお兄さんだったので、あの人だけ同じラテン系でもスペインの人ではなくイタリア系だったのでは……と、偏見丸出しで申し訳ないですが未だに疑っております。この旅の間に出会ったり見かけたスペインの人、思った以上に温和な人が多かったんだ……。
なお、この後やってきたお夕飯は予想通り大変ボリューミーで、フードファイトを強いられました。やっぱりデザートは入らなかった。
そしてお会計も終えた帰り際。
バーカウンターのところに件のお兄さんがいたのでお礼を言おうと思ったら、
「Oh Lady, Good night!」の言葉と共に、投げキッスが飛んできた。
最後の最後まできっちりセクシーに決めてくるあたり、このお兄さん、できる……!!!
……とは思ったのですが、まぁ、投げキッスなんでされ慣れてないシャイな国民性の国でお馴染みすぎる典型的日本人の私にできるリアクションなんざ、「きゃー///」って照れるのが精一杯でした。確実にレディというよりマダムという年齢のやる「きゃー///」は、やる方もやられる方も流石にしんどいと思いました。
気疲れ起こしてちょっとぐったりしながら部屋に戻り、荷物の整理や寝支度を進めていきます。
ちなみに今回の旅では結構本を買いました(シンガポールで買った本も一部混ざってるけど)。
主要観光地なら日本語の解説書も置いてあるのが世界的に有名な観光地らしくて大変ありがたいです。日本語が無くても、少なくともスペイン語の他に英語・中国語・フランス語・ドイツ語ぐらいは確実にあった。
小さなトランクに隙間なくぎっちりと荷物を詰め込み、お風呂にも入り、煙草が吸いたくなったので、一旦外に出て一服しに行くことに。
海外のホテルには寝巻が置いてないことが多々あるので、Tシャツとリラコを持って行ってます。何かあっても近くのスーパーぐらいは行けるので楽です。
……にしても、改めて見ると、この柄結構激しいな(お気に入り)。
その後、乾燥しすぎて鼻血が止まらなかったり、食べ過ぎと疲れのせいか吐き気が凄くて寝れなかったりとアクシデントもありましたが、7時50分起床。
慌ててバスに飛び乗り、空港へ向かいます。
まさかの三菱の広告にお見送りされた。
これから約2日かけて日本へ帰ります。
ルートはバルセロナ→(ミラノ経由)→シンガポール→成田。
ご飯は機内食が出るんだけど、生ハムが美味しすぎて、飛行機乗る前にも朝ご飯代わりに食べてしまった。良いやつは勿論なんだけど、空港に売ってるようなサンドイッチの生ハムでも味が凝縮されてて美味しい。
機内に乗り込み、バルセロナを出ます。
本当に楽しい旅だった。行きたいところが増えたので、またお邪魔したい!
なお、行きは経由地ミラノで一旦降機したから、帰りも一旦降機して煙草休憩取れるかと思ったら、帰りの便は経由地で降りないで席にいて! との指示が。
座席掃除や毛布のセッティング等が行われるのを横目で見ながら、せっせと保湿のスキンケアと13時間フライトに備えて座席のアイテム整理をしていました。飛行機の中はかなり乾燥するので、水分補給と保湿はマストです。びっくりするぐらい乾きます。
ごそごそしていたら、バルセロナ初日のフラメンコのお席でご一緒した方とまさかの再会を果たしてびっくりしたり、飛行機が飛び立ってからは音楽を聴きながら本を読むか寝るかしかしていたら、13時間のフライトを経てシンガポールに到着。
若干遅延したので、急いで乗り換えの飛行機へと向かいます。
なお、爆睡しすぎて朝ご飯を食べそびれたので、移動中にちゃっかりBACHA COFFEEでカヤジャムのクロワッサンを仕入れておきました。
なかなか攻撃力が高そうな色味をしているクロワッサンですが、中身はパンダン(東南アジア特有のバニラっぽい香りのハーブ)とココナッツミルクのジャムが入っている美味しいクロワッサンです。とても好みの味だったので、またシンガポール行ったら食べようと思います。
その後、機内食を食べ、またもや飛行機の中でうとうとして、約7時間後に成田空港着。
6泊9日のシンガポール経由スペイン旅、大変ボリューミーで楽しゅうございました。
最初日程長すぎるかな? と思ったのですが、最後の方はもうちょっと日程欲しいな……と思ってしまったので、大満喫したのだと思います。
帰りの飛行機を見ながら「次の旅はどうしよう」と考えるのは、いつものこと。
さぁ、次はどこに行きましょうかね?