タイトルに対する回答ですが、出来立ては常温なので、冷やした方が確実に美味しいです。
皆様、愛玉子はお好きですか?
私は好きです。
中華料理店メニューのデザート欄を見て、杏仁豆腐とライチシャーベットの2強の下にひっそり慎ましやかにその字があると、この店は最高だと握り拳するぐらいには好きです。
そもそもこいつ何者やねんと言われますと、台湾の夏のスウィーツショップや屋台ではよく見かける涼やかなデザートです。
大概レモンシロップの中に浮かんでいて、掬ってみると寒天のようなもちもちとゼリーのようなぷるぷる食感を持っていながらも、本体の味はよく分からない不思議な子。
台湾スウィーツと言えば、豆花! 芋圓! タピオカ!!! と、豆と芋のコンボを華麗に決めてくるのが定石なのですが、その中で愛玉子は楚々としたレモンの香りを振りまきながら、ぷるぷるとぅるんとした食感でこちらを魅了してきます。
もちもち食感の美味しいスウィーツ達も魅力的なのですが、本心を申し上げしまうと、食いしん坊な私は旅行中大概フードファイトをしているようなものなので、芋系は重いため見かけるとついつい敬遠してしまいます。代わりに愛玉子を頼むので、スウィーツと言えば……という流れから大好きになってしまいました。
しかし、こいつが何者なのかは未だよく分かっておらず。
寒天なのかゼラチンなのか、どっちなんだい!? という積年の疑問を解決するため、重い腰を上げてインターネットの森にダイブし、Wikipedia先生の門を叩いてまいりました。
物凄く簡単に説明すると、天然のゲル化剤だそうです。
自作の林檎ジャムやママレードを作った際に煮詰めてるとトロっとしてくるあれの正体。みんな大好きフルーチェの正体でもあるようです。
ちなみにジャムは固めですが、フランス出身のコンフィチュールは同じペクチンでトロっとさせてるけど、ジャムよりもさらっとしたものになるのだそうです。いやはや、インターネットを徘徊していると、お勉強になりますね。
それはさておき、緊急事態宣言がお正月以降伸びに伸びまくっている関東圏在住民であるワタクシといたしましては、それそろ踏んでいた地団駄の気力もなくなってきた昨今ではございますが、そんな中でも元気にインターネットで旅行関連の情報を集めまくっておりまして、今回このような記事に辿り着きました。
海外旅行に行く際は何度お世話になったか分からない台湾の旅行・旅行仲介会社『kkday』様のお家で楽しめるプランとなります。
記事を読んでみると、お水とレモンとシロップさえ手元に用意すれば、簡単に作れるキットとのこと。
丁度ワクチン接種のタイミングで冷たいゼリーも常備しておきたいなぁと思っていたので、早速ポチっとしてみました。
後日。
帰宅すると国際便のお荷物が鎮座ましましてました。
片手で持てる封筒サイズをびりびり開封すると、インボイス付のガチの国際郵便で届きました。愛玉子作成キットが。
凄くシンプル。
うっかり袋の裏面の写真を撮るのを忘れましたが、内容物の説明とカロリー表示と作り方の説明(全て華語)が記載されていました。作り方はkkday様のプラン解説にも写真付きで案内されていますので、華語が読めなくても無問題です。
早速作っていきましょう。
最初に用意するものは、制作キットとミネラルウォーター(900ml~1,200ml)と大きめのタッパー。
kkdayの解説にも「必ずミネラルウォーターを使ってください」と注意書きがあるのですが、どうやらペクチンは水分中のカルシウムと結びついてぷるぷるになるそうなので、素直に従った方がいいです(フルーチェもこの原理を応用したもののご様子)。
キットを開くと、ガーゼ袋とゴマとサフランの間みたいなつぶつぶの種が入ったビニール袋が入っていました。
まずは、ガーゼ袋の中に種を入れて口をしっかりと縛ります。
お水で軽くガーゼを揉みすすいでから、タッパーへガーゼ袋とお水を投入。
どんどん入れます。
お水を入れ終わったら、お水の中でガーゼ袋を揉んでいきます。お水がトロっとして来たら止め時らしいのですが……
お水が薄茶色になってきたけど、まだトロっとしない。
もうちょっと揉んで……
濃くなってきました。
この辺りになると、ガーゼを握りしめると分かりやすく絞られたお水が乳液とかローション的なトロットロ感を醸し出してきます。
もうちょいだけやって……
こんなもんか。
大体10分ぐらい。満足するまでガーゼを揉みしだいたので、このまま1時間程常温で放置してペクチンが固まるのを待ちます。
……と言いつつ、放置開始20分ほどでこの固まり方。
斜めにしても零れませんでした。
もしや揉みすぎたか!? と不安になりつつも、もうしばらく放置してから冷蔵庫へ移動させました。冷えてきたら食べごろなのですが、実はこの日は2回目のワクチン接種2日目だったため、この時点でHPがゼロとなったのでお楽しみは翌日に取っておくことに。
そして、翌日。
ドゥルンドゥルンに固まってる!!!!!
煮凝りかよ!! とツッコミたくなるぐらいしっかり固まった愛玉子をスプーンで叩いてみると、丁度いいぷるぷるの弾力でした。
暫しスプーンで弾力を楽しんでから、食べる分をガラスの器へ。
シロップはカロリー無しの甘味料、レモンはレモン果汁を使いました。甘いかな……と思って最初のシロップはお水で薄めたのですが、むしろ直でぶっかけた方が美味しかったです。
掬っても分かるむにむにのぷるぷる。
食べてみるとプーアル茶かな? と思うような独特の風味があったので、もしかしたら濃く作りすぎたのかもしれませんが、食べ続けているとレモン果汁の奥に原材料のイチジク科らしき風味がしっかり感じられました。
結論といたしましては、1日で完食いたしました。
お腹を壊しそうなので一気食いはお勧めしませんが、自分で作る楽しさと、台湾直送で届くワクワク感、お家に居ながらにして夏の台湾の風物詩を独り占めできるという満足感はなかなかな物でしたので、是非お試しください。
私はもう1袋買っておけばよかったと既に後悔中です。