午前11時過ぎ。
電車に乗って『民族共生象徴空間 ウポポイ』へやって参りました。
早速、中へ入りましょう。
入るまでのアプローチは曲がりくねっていて、木々のざわめきや伝承歌謡らしき音楽が聞こえてきます。
検温、アルコール消毒を済ませ、エントランスへ。
ウポポイのキャラクター『トゥレッポん』ちゃん像がお出迎えしてくれます。アイヌの人々が使ってきた食材『オオウバユリ』のアイヌ語である『トゥレプ』が由来のようです。
先に買っておいたQRコードのチケットを見せて、入場。
中央に大きな湖(ポロト湖)があり、その岸に沿って施設が点在しています。
まずは時間が丁度よかった伝統舞踊を拝見しに、体験交流ホールへ。
忌憚なき意見を申し上げると、心理的な距離感が遠かったというか、入り込みができなかったというか。
「今からやるのはこれです」「次はこれです」と次々出されるものを消化するのに若干時間がかかりました。あと、楽器使用もあるけど手拍子参加とかできたら、個人的には「ただ見ている」から「参加している」になれたのかな……と、素人ながらに思うところです。
ホールを出た後は、タイムスケジュールを確認。
ウポポイ内はあちらこちらでワークショップが開かれているのですが、時間が決まっているのでテーマパークばりのスケジュール管理能力が試されます。
今回のメインどころである博物館の入館は1時に予約しておいたので、先にご飯を頂くことにしました。
再入場券を貰ってエントランスへ戻り、こちらのお店にお邪魔しました。
お肉が食べたかったので、ユク(蝦夷鹿)と白老牛の合挽ハンバーグを注文しました。
スープは春キャベツと根セロリのポタージュ。
滑らかな舌触りと、あっさりした塩味、風味付けの油が香り豊かでほっとするお味に仕上がっています。
メインはユク(蝦夷鹿)と地元特産品の白老牛を合い挽きにしたハンバーグ。サイドには蝦夷鹿のソーセージも付いてきます。
ハンバーグは「肉食ってる!」と納得する粗挽きのお肉。鹿の風味が強いのか、かなり肉の味が濃い目です。そしてソーセージがこれまたしっかりした肉の味を感じれて美味しかった。
セットで付いてくるパンにはアイヌの食材として使われる植物が練り込まれていたのですが、名前を聞き取れなかった……ヨモギのような強さなんだけど、またちょっと風味が違った草の味がしました。
窓の外には真っ白な雪と体験交流ホールに繋がる道が見え、美味しくご飯を頂くことができました。
(なお、園内は飲食・喫煙厳禁。飲食は一部休憩所ではできますので、そちらをご利用ください。喫煙所は園内に無いから、私は駅近くの施設の喫煙所をお借りしました)
しっかりご飯を食べた後は、再入場して本日のメインである『国立アイヌ民族博物館』へ。
アイヌの価値観、生活、伝承文化、歴史などが分かり易くまとめられています。
恥ずかしながら知識が無かったので、聞いたことがある単語なども説明や展示を拝見して理解できました。カムイっていろんなものに宿ってるんだね……
常設展だけでもじっくり見て周る事1時間。
知っていたけど近くで見たもの、初めて見たもの聞いたものをゆっくり消化しながら、ミュージアムショップもしっかりチェックして、次は『体験学習館』へ。
こちらでは調理や手仕事、楽器などを実際に体験することができます。調理体験は大人気のプログラムらしく、既に申し込み終了してました。
今回はやろうと思っていた刺繍体験と、気になっていた楽器演奏体験 (はじめてのトンコリ)を申し込みました。
刺繍はループステッチという縫い方を使ってアイヌ文様を縫う体験。コースターは無料で、あずま袋など一部有料の物もあります。今回は有料のあずま袋が欲しかったので、そちらをチョイス。
元々こういう手仕事系大好きというのもあるけど、普段は高校で裁縫を教えているという先生の分かり易い指導のおかげで、めっちゃ早く縫い終えてしまった……
同じ技法で刺繍がされていると展示されていた服(こういう服は家族に継がれていく大切な物だったのだとか)は、このループステッチを多用して文様が作られているのだけど、パッチワーク的な要素もあるし、柄や色のあわせも素敵。
近付いてより分かる仕事の丁寧さ。
早めに教室を出させていただいて、休憩を挟んでから、トンコリのレッスンを受けます。
トンコリは5本弦の楽器。
ギターのように弦を押さえて音階を出すのではなく、ハープのように決まった音階を鳴らす楽器です。
これで課題曲をやってみたのだけど、地味に難しい。
……というか、まともにギターも触ったことが無かったので、爪弾くのが上手くできずに、隣の弦を弾いて謎の音を連発してしまいました。リズムも独特なので、30分のレッスンがあっという間でした。もっとやりたい。
本当はムックリ(口琴)作りとかもやりたかったのですが、あっという間に時間は過ぎて、閉館のお時間。
帰りの電車もあるので、後ろ髪を引かれつつ退園しました。
また行きたいです。